講義内容紹介
事業設計工学コース
1年次は、どのように価値あるビジネスをつくりだすかについて、基本的な考え方と関連する方法論を中心に科目を配置しています。
2年次は、この分野の業務遂行能力(コンピテンシー)の獲得を目的としてPBL型科目である事業設計工学特別演習1、および同演習2を配置しています。経験する環境を与え、修得した知識を適切に使いこなせるようになること、及び業務遂行能力を養成する場を提供します。
科目群INDEX
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事業設計工学基礎科目群
事業設計工学概論、スタートアップ戦略特論、会計・ファイナンス工学演習、エマージング・イノベーション特論、サービスサイエンス特論 -
ビジネスシステム科目群
マネジメントシステム総論、マネジメントシステム各論、統計・数理計量ファイナンス特別演習、地域経済分析特別演習 -
事業設計イノベーション科目群
製品開発組織特論、技術経営戦略特論 -
サービスイノベーション科目群
ネットワーク事業設計特論、意思決定サイエンス特論、イノベーティブサービス技術特論、市場創造技術特論、事業継続戦略特論 -
事業設計工学特別演習
事業設計工学特別演習1・2 -
産業技術研究科科目群
国際経営特論、国際開発特論、グローバルコミュニケーション特論、DESIGN[RE]THINKING、産業技術特別講義1、産業技術特別講義2、情報アクセラレータ特論1、情報アクセラレータ特論2、デジタル価値共創特論1、デジタル価値共創特論2、DXサステナビリティ特論1、DXサステナビリティ特論 -
選択必修科目群
技術倫理、情報技術者倫理
事業設計工学基礎科目群
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事業設計工学概論
この授業を受講することによって、本コースで学ぶ内容を体系的に俯瞰し、今後の学習の明確な動機付けを行う。事業設計工学コースが育成する事業イノベーターを理解するために、本学の専任教員やゲストスピーカーがそれぞれの専門分野の立場から、「事業イノベーター」について言及し、「事業イノベーター」の実像をうかびあがらせるようにする。 -
スタートアップ戦略特論
起業あるいは新規事業を立ち上げ、成長を遂げていくためのスタートアップの活動を理解する。活動の流れを体系的に理解し、事業計画、資金調達、人材・知財等の資源管理、ブランディング等のマネジメントを学ぶ。本講義は一般的な事業戦略や企業経営の用語について簡単に整理して理解したのち、起業に関して外部講師を招待し、起業に関する体験や専門的知識について説明していただく。その後、それぞれの講演内容について学生間で議論する。 -
会計・ファイナンス工学演習
企業再編の増加や株主重視経営の定着などに伴い、財務知識の重要性が高まっている。ファイナンスという学問は、資金の調達や運用など、企業経営のうち資金に関係する分野を対象とした学問である。具体的には、企業にはどのような資金調達の手段があるのか?調達した資金を複数ある投資案件のどれに投下するのか?意思決定の問題を扱う。本講義は、資金の投資先の決定・資金調達先の決定・配当政策の決定など、企業経営のうち資金に関係する分野を対象とする。そして、経済学及び経営学の理論的な考え方を習得し、問題意識の持ち方、ケーススタディに応用するにはどうしたらいいか。その結果、課題探求・問題解決ができる能力を身に付けることを目指す。 -
エマージング・イノベーション特論
イノベーションという概念は、経済活動などの慣行の非連続性に基づいた発展を表す一つの現象であり、技術の変化、市場の変化、組織の変化など様々なものに根ざす可能性を持っている。近年、国内の個々の企業において、今までの経営路線に行き詰まり、閉塞感が語られている感があるが、その反面、このイノベーションの可能性について期待感がある傾向が認められる。
ここでは、これからイノベーションを起こしていくために、イノベーションを支える構造とプロセスや、技術環境や市場環境におけるイノベーションの制約要因などを、実際の事例を参照しながら理解していくものである。このような理解により、実際の社会活動における方向性を指し示すことが出来る可能性を得ると考えられる。 -
サービスサイエンス特論
本講義では、人間の意思決定の不合理性、消費者の行動、産業心理学などの知見と研究事例からその特徴を明らかにする。サービス提供者が満足するのではなく、顧客が満足する姿を目標としたサービスや市場がのぞまれる。そこで、本講義においては、近年注目を集めているサービスと消費者行動、サービスサイエンス、サービスエコノミクス、サービスマーケティング、サービスマネジメントについて扱う。さらに、サービスプロフィットチェーンなどの従業員のモチベーション向上とカスタマーロイヤルティのサイクル、顧客経験と市場の理解についても論じる。また、これらをもとにして演習を個人・グループベースで行う。
ビジネスシステム科目群
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マネジメントシステム総論
経営学・経営戦略論を学ぶうえで、必要と考える考え方を解説し、基本的理解に重点を置く。経営に関する基本概念のうち、市場、組織及び地域を巡る基本的な考え方を中心にまとめる。後半では経済的アプローチを用いて講師の米国ビジネススクールの経験を踏まえて、MBA での伝統的な考え方と対比しながら、展開するように心がける。事例を取り入れながら客観的に解説し、現実の社会において経営学・経営戦略論が果たす機能を具体的に理解する。 -
マネジメントシステム各論
経営を学ぶうえで、必要な考え方を復習したのちに、国際経営、地域ビジネス、イノベーション、デジタル化に関する概念、調査研究の方法論を解説する。地域ビジネスについては、地域バリューチェーン(地域価値連鎖)からも論じる。マネジメントシステム総論の各論に相当する。 -
統計・数理計量ファイナンス特別演習
この講義は、計量経済学の基本を習得することが目的である。計量経済学とは、統計学的手法を用いて、観察可能な経済データからその発生メカニズムを経済理論に基づいて推測する学問である。経済現象を数理的及び定量的に分析することによって、現実の社会現象に関する理解が深まる。また、現代社会のさまざまな分野において政策的課題や実践的な問題の解決に応用することもできる。それ故、社会科学の学習において、計量経済学の知識は必要不可欠のものである。この講義では、統計学で学んだ知識をもとに、現実の経済・経営に関する統計データを用いた実証分析の手法を学ぶ。具体的には、観測データの集約方法を解説し、複数の変量間の関連性を、回帰や相関といった概念を用いて考察できるようになることを目指す。 -
地域経済分析特別演習
現代経済理論は、個々の経済主体の行動を中心に分析を進めるミクロ経済理論と、一国の経済全体を一つのものとして分析を進めるマクロ経済理論に分けることができる。ミクロ経済理論とは、消費者や生産者などの個々の経済主体の行動原理を分析し、その上で市場のメカニズムによって達成される資源配分の性質を明らかにするものである。また、マクロ経済理論とは、投資や消費、雇用などの一国の経済全体の集計量を中心に、これらの相互関係を分析するものである。この講義では、特にミクロ経済学の基本的な理論を説明する。その際、経済理論、数量分析手法を織り交ぜながら弾力的に進める。本講義では、受講生の理解度を確認しながら、データ分析の実習を行って実践力を養う予定である。
事業設計イノベーション科目群
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製品開発組織特論
有形・無形の製品を創りだす各企業において、その組織的能力が、どのような特性があり、どのように活かされているのかということについて、これまでは議論が深めに進んできたとは言い切ることが出来ない。
本講義では、これまでの組織論に関する知識を供与しながら、有形・無形の製品を創る企業の特性を軸にしつつ、社会の中の実践的な企業活動や組織活動に応用できるような考え方を修得していくものである。 -
技術経営戦略特論
高度経済成長期からバブル期を経て、日本は世界に誇るだけの様々な分野の技術力を持つようになった。しかし、近年、国内の各産業で業績や将来の方向性に対して閉塞感が広がっている。この講義では、技術的な基盤を持ちつつ、実際に社会の中で製品やサービスを創っていく上で必要な戦略性を解説していく。特に、これまでに成功を収めてきた有形・無形の製品に関する企業や組織の活動に着目しながら、成功する製品開発行為の戦略に関する説明をしていくものである。
サービスイノベーション科目群
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ネットワーク事業設計特論
計算機やインターネットを用いた経済活動は、ビジネスの利便性のみならずサービス提供の効率性を格段に飛躍させた。本科目では、ネットワークを活用したビジネスに関連する事例について、各種経営理論に基づく成功要因分析と事業戦略の特徴づけについて紹介する。その上で、オンラインサービスを提供する業界におけるサービスのモデル、企業内情報システムに関する事例とその効果、および物流、観光、医療・福祉・物流などの成長分野での IT やインターネットの活用事例について議論する。 -
意思決定サイエンス特論
ビジネスにおける意思決定は、経営者が行う経営上の意思決定と現場の実務担当者が行う実務的意思決定が存在し、この2つが成功することがビジネスの成功において不可欠である。本講義では、これらの意思決定に関する理論と実務上の手法について論じる。具体的には、経営上および実務上の意思決定の成功例や失敗例を議論するとともに、ビジネス上の事例等をもとにした意思決定演習を行う。 -
イノベーティブサービス技術特論
モバイル端末の進化や人工知能技術の発展に伴い、金融サービスや e コマースといった関連産業の著しい成長が認められる。これらの産業の発展の要因は、電子マネーによる決済行為の電子化や仮想通貨の活用といった国を超えた経済活動のさらなる活発化が背景にある。本講義では、フィンテックの基盤となる基本的技術や関連産業の発展に寄与する IT ソリューションを理解し、イノベーションの検討に必要な知識を習得する。これらの知識をもとに、サプライチェーンや電子政府、医療・福祉、観光など、様々な分野に対してブロックチェーンを代表とする IT 技術の適用可能性とその課題について議論し、具体的な導入手法について検討する。 -
市場創造技術特論
市場を理解するためのマーケティング手法を概説するとともに、市場を創造するための各種戦略として、ブルーオーシャン戦略を紹介する。ブルーオーシャン戦略による新市場創造においては、戦略キャンバス作成、脱セグメンテーション分析、非顧客のグループ分類、プロダクトコンセプトの具現化の手法の理解、ビジネスモデルの再構築、戦略的な価格設定、事業セグメント整理のための PMS マップ、アクションマトリックス(ERRC グリッド)の作成が必要となる。これらを個人・グループ演習を通じて理解する。 -
事業継続戦略特論
近年の不確実な世界において、組織が永続的にビジネスを継続させることができるよう望ましい戦略を持つことが注目されている。本講義では、主として次の2点について取り組む。一つ目は、ビジネスサスティナビリティの観点で、高品質な商品やサービスの提供を実現し、ビジネス継続性を維持するための顧客のパーセプション理解とビジネス意思決定のためのマーケティングリサーチの基礎である。二つ目は、不測の事態が発生した際に、組織が持つ情報や周りの環境の情報をいち早く収集し、それに基づいた事業再開の戦略を立案し、ビジネスを継続させることができる方法論として注目を集めている事業継続計画(BCP: Business Continuity Plan)についてである。
事業設計工学特別演習
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事業設計工学特別演習1・2
1年次では、知識とスキルを講義・演習型科目を通して修得するが、これだけでは未来の価値づくりを担う高度専門職業人「事業イノベーター」として活躍することはできない。実際の業務を成功に導くためには、経験及び業務遂行能力(コンピテンシー)が不可欠である。2年次で必修となる当科目では、事業イノベーター養成の最終段階として、事業化の提案から事業設計・構築にいたる様々な業務を遂行する未来の価値づくりのプロジェクトを実行する。実際の業務に近いプロジェクトを体験することで、知識・スキルの活用経験を蓄積し、さらにコンピテンシーを修得するために PBL(Project Based Learning)型の演習授業を行う。
産業技術研究科科目群
- 国際経営特論
本講義は受講者に、今日のアジア/アフリカにおける起業/ビジネス展開のために必要な知識、能力を付与するものである。特に、ライバルが少ないニッチ的なアジア/アフリカ諸国の事情を紹介し、受講者が有利な条件で起業する機会を付与する。起業/ビジネス展開に関する他の講義と比べると、本講義は次の明確な特徴がある。第1は、ビジネスを行う場が日本国内ではなく、アジア/アフリカを前提としている。第2は、起業のための具体的な手法として、特にファイナンス面に重点を置くことである。本講義では、特に開発ファイナンス(Developmental Finance)という手法について集中的に見ていく - 国際開発特論
この講義は、学習者が、今日の発展途上国の発展問題についての理解を深め、開発援助の手法についての実務的な能力を身に付け、さらには具体的な開発援助プロジェクトを企画立案できる能力を獲得することを目的とする。具体的には、学習者はこの授業を通じて以下の知識や・能力を習得できる。- 開発援助の基礎的概念と、新古典派経済成長理論に基づく通常の開発経済学上の基礎を理解する
- 国際関係論等新たな視点に基づく開発援助の捉え方を理解し、具体的な開発援助プロジェクトに関する実務的な企画立案能力を獲得する
- さらに、開発援助のファイナンス面についての実務的知識を獲得し、開発援助を開発ファイナンスという特殊な「カネの流れ」として理解し、ビジネス機会を捉える能力を獲得する
- グローバルコミュニケーション特論
本講義の目的は明確である。受講者に、国際場裡でこれから世界を相手に闘って、勝てるようになって欲しい。ビジネスでも、外交でも、政治でも、国際場裡で自国民が外国人に負けまくっている状態では国家の発展はない。そのため、国際場裡での闘いにおいて「勝てる」ようになるために必要な能力として、第1に、現下の国際情勢に関する鋭敏な理解力、第2に、今後の世界の動向を俯瞰する文明史的視座の理解力、第3にディベート能力、すなわち世界で外国のライバルを相手に議論で「勝つ」能力を付与する。 - DESIGN[RE]THINKING
デザイン思考とはなにか最低限の学習を行い、その可能性と限界について考える授業としたい。デザイン思考はデザイナーがデザインする時に行うプロセスを単純化した方法論として生み出された。デザイン思考はだれもが簡易にデザインを再現できる方法論として優れているが、これだけで優れたデザインができ得るわけではない。複雑化された社会の中で、優れたデザインを生み出せば問題が解決できるわけでもない。デザイン思考の異種としてアート思考が生まれて近年賑わっているが、アート思考で可能なことも限られている。その批判としてまた新たな思考法が取り沙汰されるが、そもそも思考だけではない実践の中に知があるという立場がある。デザイナーとアーティストは思考法の存在そのものを否定している。
本科目の前半は、デザイン思考/アート思考はどのような概念・手順で考えることができるか各自で自ら思考し、実践することで学ぶ。後半はデザイン思考/アート思考の可能性と限界に自覚的に考え、新たな思考法と実践を自ら考える機会を与えたい。参加者は思考と実践の形として、授業で課される宿題と最終レポートを通して検討を深めてほしい。 - 産業技術特別講義1
すべての情報システムにおけるインターフェースは、問題を解決するため、または私たちの生活をより良く、より簡単に、より成功させるために設計されている。私達は身近にあるPCやスマートフォンなどの様々な端末を通して、その設計者の意図とデザインを毎日体験しており、ボタン、ジェスチャー、フォントの選択、配色など、すべてUI/UXデザイナーによって設計された実例を観察すると、そこには原理と原則があることがわかる。本稿講義では、UIとUXデザインを実例ベースで紹介し、原理原則を理解した上で、自身の制作に取り入れられるような実践的な講義を指向する。 - 産業技術特別講義2
当科目は大規模言語モデル(LLM)の理論と基本的な実装方法を扱うLLMは産業社会に大きな進歩をもたらし、幅広い業種で活用されている。一般的な質問応答タスクにとどまらず、多様な目的で用いられる。テキスト分析や既存データの可用性改善、システム制御用コンポーネント用途としても利用される。LLMは高度な指示追従能力により柔軟な対応能力をシステムに付加する。それにより提供可能なサービスの幅を広げる意義を持つ。当科目ではLLMについて体系的に理解できるよう説明する。LLMをプロダクト開発に応用するための実用的な手法に重点をおく。プログラミング演習ではPythonを使う。 - 情報アクセラレータ特論1
本講義では、情報技術を活用して起業・創業に必要な基本的知識と技術を学ぶ。デザイン思考やカスタマージャーニーといった手法を通じて、顧客のニーズを的確に把握し、ユーザー中心の発想法を養う。さらに、ノーコード・ローコードツールを活用し、簡易的なプロトタイプを作成することで、アイデアを素早く形にするスキルを体験的に習得する。情報技術を取り入れることで、起業プロセスの効率化を図り、迅速な仮説検証を実現することを目指す。また、グループ演習やフィードバックを通じて、新たな視点を発見しながら、自らの可能性を広げるきっかけを提供する。起業に興味がある初心者や基礎を固めたい者に最適な内容である。 - 情報アクセラレータ特論2
本講義では、「情報アクセラレータ特論1」で習得した情報技術や生成AI、データ分析、DX(デジタルトランスフォーメーション)に関する知識を活用し、新規事業創出や起業に必要な実践的スキルを習得する。ノーコード・ローコードツールを用いたプロトタイプ作成、仮説検証、ユーザーテストや市場調査を通じて、アイデアを迅速に形にし、市場適合性を検証する。また、VC(ベンチャーキャピタル)へのピッチを模擬体験し、効果的な提案スキルを磨く。グループワークを中心に進行し、教員のフィードバックを活かしながら、最終的に事業計画とプロトタイプの完成を目指す。 - デジタル価値共創特論1
- 本講義はデジタル時代における「価値創造の方法論」を教授するものであり、大きく「講義」と「チーム演習課題」のパートによって構成される。
- 主な内容は「共創」の概念を整理し、「創造性」「価値創造」を定義し、デジタル手法を身につける上で忘れてはならない「感性と身体性」「直感と理論」といった対の概念の知識を身につける。
- 未来の価値創造に必要な「未来想定」から「提供価値の企画立案」までのプロセスを紹介し、それを参考にチームワーキングによる提供価値を共創でデザインする。
- チームワーキングテーマ:「担当教員と考える東京のタマシマの未来」
10年先くらいの東京の「多摩」「島」地域の未来を想定し、そこに生活する人に「喜び」「幸せ」を与える「価値」を創造する。
- デジタル価値共創特論2
- 本講義は、デジタルかつグローバル時代における「多様な価値協調論」を教授するものであり、大きく「講義」と「チーム演習課題」のパートによって構成される。
- 本講義は様々なクライアントと共にクリエイティブ活動を行ってきた人や外国人として外国でクリエイティブ活動を行ってき た人の具体的な経験を通し、多様的価値の意味と有用性の理解を深め自分形の考えを構築する。
- 未来の価値創造に必要な「未来想定」から「提供価値の企画立案」までのプロセスを紹介し、それを参考に後半は様々な 経験を持つメンバーとのチームワーキングにより提供価値を創出する。
- チームワーキングテーマ:「担当教員と考える東京のタマシマの未来」
10年先くらいの東京の「多摩」「島」地域の未来を想定し、そこに生活する人に喜び」「幸せ」を与える「価値」を創造する。
- DXサステナビリティ特論1
複雑さ・不確実さを増す事業環境下、既存事業の延長のみで企業収益や企業価値の継続が将来共に約束されるとは考え難い。大量の賃貸資産等を有する大手不動産会社といえども例外ではなく、既存事業の進化・拡張や新事業の創出により持続的成長を図る必要がある。不動産開発事業を題材に、顧客の課題やサステナビリティなどの社会課題と自社の強みを組み合わせ事業の進化や創発をする事例の、考察や分析をおこなう。「不確実性から始まる」ともいわれる不動産開発事業は、流動的で途中は上手くいかないことも多く、リスク(振れ幅)と曖昧さに対峙しなければならない起業家の世界に通ずる。市場の選択、事業計画、製品・設計、生産管理、販売、管理・運営など一連の事業プロセスでの意思決定を支える価値観と、事業をマネジメントする手法や心構えを学ぶ。 - DXサステナビリティ特論2
競合他社のものに比べ付加価値の高い商品やサービスを提供する「差別化」は、事業の収益性を高めるだけでなく、新規事業を展開する上でも有用な戦略である。顧客や社会にとって意味のある課題の発見と解決のために、技術やサービスの実証・実装・商品化を行う活動と、それを支える人材や社内外連携などについて、実例の考察と分析を通して学ぶ。サステナビリティの取り組みと企業価値向上の両立や、現在進められているDX化の活用についても考察する。
選択必修科目群
- 技術倫理
ものづくりアーキテクトは間違いのない意思決定をする必要がある。このような意思決定の際、技術倫理に関係する問題について判断できるようになるためには、倫理問題についての理解を深める必要がある。特に、事前に起こりうる問題を想定して、予めその回答を用意するトレーニングを通じて技術倫理に関係する問題解決能力を取得することを目標として授業を設計している。受講者には討論への参加、演習課題についてレポートの提出、自ら探した事例についてのプレゼンテーションを求める。 - 情報技術者倫理
生成AIやネット技術が高度化する中、この科目では、「何故、情報技術者に倫理観が必要なのか」といった問いかけから、情報技術者に関係する各種法令やガイドライン、ルール、マナー、エチケットが構成されてきたことを確認し、その重要性や社会的背景を考慮しながら、自らの業務にどのように適用させるべきかを考え、グループで検討する。また、この科目で検討していく内容は、システム開発者や情報化の推進者として様々なジレンマに直面することがあるが、これらの事象は、情報技術の発展が定着したビジネスルールと相反するものがあり、どの様に解決すべきか、常に倫理的に考えていく必要がある。講義の進め方は、1週間の中で都合の良い時間にWeb教材による事前学習を行い、大学院でのハイフレックス・オンタイムによるとグループディスカッションによって考えを深化させ、その成果を導く「ブレンデッド・ラーニング」とする。