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PBLの到達点を起業に定め学びと並行して会社を立ち上げる

原 孝治さんの画像

情報アーキテクチャ専攻 2017年修了

不動産会社 情報システム部 勤務
株式会社アイデアハブ 代表取締役 原 孝治さん

独学で身につけた技術を検証する学び直し

 AIITの2年次にPBLから生まれた会社は、設立時から条件付きで活動期間を限定していました。起業した会社を休眠させた後は、組織コンサルティング会社を経て、ITに注力している不動産会社の情報システム部に籍を置いています。

 入学時は、印刷会社のシステム部に勤務。原稿の入稿システムや自動組版システム、社内インフラなどを開発・運用していました。プログラマーとシステムエンジニアを兼ねたような業務をこなしていましたが、技術は独学で身につけたもの。果たして自身のプログラミングは正しいのか、正しいとしてもどれくらいのレベルかを検証してみたくなりました。また今後のキャリアを考え、さらに大規模なシステムを構築する際に求められるプロジェクトマネジメントの知識も身につけようと学び直しの場を探しました。

 手始めとして、文部科学省が推進する情報技術分野の人材育成事業「enPiT」に応募し、同事業のビジネスアプリケーション分野で連携校となっていたAIITの教室で学びました。その際、“おまけ”として受講できたAIITの授業が、私が求めていた学びと一致したことで、正規入学を決めました。

起業志向を持つ技術者としてバランスに配慮した授業選択

 AIITで学ぶにあたっては将来の起業も考え、事業アーキテクトコースを選択しました。履修する授業は、①事業化系、②マネジメント系、③技術系のバランスに配慮して選択。それ以外では、マーケティングの授業に力を注ぎました。講義の中で、大手広告代理店の実務経験を持つ教員が語った「マーケティングとは、製品を商品にすること」という一言はその後も、仕事の質を自問する際の試金石としています。

 AIITの授業は、思わぬところで仕事に影響を与えるヒントや知見に出合います。その最たる例が、結果として自身の会社を起業することになるPBLだったといえるでしょう。

社会を変えるサービスは提供者を問わない

 私が参加したPBLのテーマは、「サービスをつくる」と、極めてシンプル。協働するメンバーとディスカッションを重ねて選ばれたのが、私が提案した「アイデアハブ」でした。

 このサービスは、アイデアの創出をサポートし、公開できるものはシェアし、アイデアを探していたり、それを実行に移せたりする人や組織が活用できるというもの。事業アーキテクトコースで学ぶ私は、そのシステムを事業化するまでをPBLの到達点とし、これを運用する会社を法人登記したのです。

 こうして、学びと並行して起業したのが、サービス名をそのまま社名に採用した会社です。1年間とはいえ会社を動かしたことで明らかになった経営者として足りない点を、現在は働きながら学んでいるところ。また技術については、AIITでの学びからその裏づけができました。自信を得たことで、世の中にインパクトを与えるサービスを提供するのに、企業の従業員か起業家かは重要ではないと思うようになりました。もちろん、起業した会社も眠っているだけ。いまは未経験だった分野で実績を積み、タイミングを見計らい再び旗を揚げる日が来るのを待っています。

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