English

偶然を受け入れ挑戦する。AIITで広がった3Dとデザインの可能性
先輩たちの声23画像

創造技術コース (2025年8月取材)

吉川絢さん (2025年3月修了)

設計・コンサルティング事務所 所属

学習院大学 出身

悔しさから始まった学び直し

先輩たちの声23画像

前職でデータエンジニアとして深層学習を用いた画像処理プロジェクトを任されましたが、肝心な部分を自分で実装できず外部に委ねることになり、強い悔しさが残りました。その経験を当時の上司に相談したところ、AIITを勧められました。本学の修了生で尊敬する存在でもあり、「自分も同じように学んでみたい」と強く思い進学を決めました。
実際に入学してみると、 平日夜間や土曜に授業が行われる 社会人に適したカリキュラムに加え、オンラインやハイブリッド授業の環境も整っていました。また、 20代から60代まで幅広い学生が集まっており 、安心して学べました。

授業で出会った三次元思考の強み

「プロトタイピング工学特論」では3D CADを用いた観察とモデリングを繰り返す中で、自分が三次元的な思考に強みを持っていることに気づきました。これまで数理やデータ処理で培った感覚が、造形やデザインの論理とつながっていったのです。
「デザイン表現実習」や「プロダクトデザイン特論」では、スケッチや図面による表現を学び、デザインを相手に伝える力を養うことができました。頭の中にあるイメージを正確に形にして共有するプロセスは、データや数値だけを扱っていたこれまでの経験にはなかった新しい発見でした。
PBL(Project Based Learning) でもその経験を活かし、モビリティのテーマで3Dモデル設計を担当しました。パラメータを設定し操作できる形でプロトタイプを提示することで議論を前に進める役割を果たしましたが、一方でチームメイトがゲームエンジンを使ってモデルを拡張した際には「自分も挑戦できたはずなのに」と悔しさを覚えました。その思いは「次は必ずチャンスを逃さない」という強い決意につながっています。
授業の合間には 夢工房 に足繁く通い、 担当教員 がいる日を狙って3Dプリンタや電子工作に挑戦。自由に試行錯誤できる環境が、自分の発想を形にする力を磨いてくれました。

PBLで得た殻を破る体験

PBLの活動は最終発表に向けて仲間と試作と改善を繰り返す、非常に密度の濃い時間でした。特に印象に残っているのは、「恥をかいて初めて自分の殻が破れる瞬間がある」 という実感です。こうした経験は独学では得られない、PBLだからこそ与えられた貴重な場でした。
修了後は設計・コンサルティング事務所に転職。AIITで学んだ3Dスキャンやモデリングの技術、知識や表現力を業務に活かせています。
振り返ると、たまたま選んだ授業や偶然の出会いが進路を大きく変えてきました。そして今でも何なら「もう1回入って学びたい」と思うぐらい充実した時間でした。AIITは偶然の連鎖を力に変え、新しい可能性を切り拓く場だと強く思います。

PAGE TOP